欠けた月の光の下で
夜に看取られた物語


真白な空の真ん中で
血を吐くほどに叫んでもこの声届くこと なく
どうしてあのひとが倖せになってはいけないのです、
世界を敵に回しても
護りたいと、願った


ふわり舞い散った花びらは雪のように朽ち溶ける


目を閉じるそのときは傍に、傍に、
貴方と共に私の世界も死んだのです





(ひらり、ゆらり、きえゆくひかり)