大嫌いだったあの香り
吐き出された煙の行く先は
白は空の青に溶けて消える
悪戯に目を細めて
触れる指先はきっとやさしい
その仕種がいとおしかった
霞むあなたの微笑みに
そして遠ざかった背中
噎せかえるような白煙の向こう側に、ただ目を瞑っては思い出すだけ
(あの香りは今でも好きになれないまま、)
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